【5分でわかる】ローコード開発とは?ノーコードとの違い・メリット
システム開発の現場では、最近「ローコード開発」という言葉をよく耳にするようになりました。
「ローコード開発って、結局なにができるの?」「ノーコードとは何が違うの?」と感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ローコード開発の基本的な意味から、ノーコードとの違い、導入するメリットまで、5分でわかるように整理してご紹介します。
システム開発の手法を選ぶときの参考になれば幸いです。






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そもそもローコード開発とは?基本を解説

ローコード開発は、パーツを組み合わせることで少ないコードでシステム開発を進められる手法です。
ローコード開発とは、ソースコードをほとんど書かずにシステムやアプリをつくる開発手法のことです。
用意された部品(パーツ)やテンプレートを画面上で組み合わせるだけで開発が進められるため、専門知識がない方でも扱いやすいのが特徴です。
ここでは、ローコード開発の基本的な仕組みから、ノーコードとの違い、注目されている理由まで、まとめて見ていきましょう。
ローコード開発の基本的な仕組み
ローコード開発とは、プログラミング言語での記述(コーディング)を最小限に抑え、画面上の部品をマウスで動かす直感的な操作(ドラッグ&ドロップ)を中心にして、システムやアプリを短期間で作成する手法です。
用意された部品(パーツ)やテンプレートを画面上で組み合わせるだけで、システムの土台ができあがります。
従来の開発とローコード開発の違いは、DIY家具づくりで例えるとイメージしやすくなります。
- 従来の開発:木材や金属といった材料から自力で加工して家具をつくるようなもの。時間も技術も必要です
- ローコード開発:組み立て家具(カラーボックスなど)をつくるようなもの。すでに用意されたパーツや設計図を組み合わせるだけで、誰でも簡単に一定の品質の家具を短時間でつくれます
このように、ローコード開発は「材料から自分でつくる」のではなく、「すでにある部品を組み立てる」発想に近い開発手法です。
必要な機能のブロックを選んで、ドラッグ&ドロップするだけで、業務アプリや社内システムができていきます。
細かい部分や自社独自の機能をつくりたいときには、最低限のコードを書き加えることもできます。
代表的なツールには、サイボウズの「kintone」やマイクロソフトの「Power Apps」などがあります。
実際によくつくられるのは、勤怠管理や顧客管理、在庫管理といった、社内の業務を効率化するための業務アプリです。
例えばkintoneでは、顧客管理・案件管理・問い合わせ管理・日報管理などの業務システムを比較的短期間で構築できます。
ローコード開発とノーコード開発の違い
名前が似ているため混同されやすいのですが、両者には大きな違いがあります。下記の表に、ローコードとノーコードの違いをまとめました。
| 項目 | ローコード | ノーコード |
| コードの記述 | 必要最低限のコードを書ける | コードはまったく書かない |
| カスタマイズの自由度 | 比較的高い | 用意された機能の範囲内 |
| 向いている規模 | 小〜中規模、システム連携にも対応 | 小規模・単機能のアプリ |
| 必要な知識 | 基本的なプログラミング知識があると望ましい | 専門知識は不要 |
表のとおり、もっとも大きな違いは「コードを書く量」と「自由度」です。
ノーコードはコードをまったく書かずに完成しますが、用意された機能の範囲でしかつくれません。
ローコードは少しだけコードを書けるため、自社独自の要望にも対応しやすくなります。
シンプルな申請フォームなどはノーコード、他システムとの連携が必要な場合はローコードが向いています。
ローコード開発が注目されている理由
ローコード開発が注目を集めている背景には、いくつかの社会的な要因があります。
- 日本のIT人材不足を補える
- 市場の変化が速く、スピード感のある開発が求められている
- AIとの連携を進めるツールが増えている
これらの要因が重なり、ローコード開発を選ぶ企業が増えています。
調査会社の発表によると、国内のローコード・ノーコード開発市場は2024年度におよそ994億円規模となり、前年度と比べて15%以上の成長を見せています。
市場全体が大きく伸びていることからも、ローコード開発がいかに多くの企業から注目されているかがうかがえます。
ローコード開発のメリット

ローコード開発は、スピード・コスト・人材不足の課題解決に役立ちます。
ローコード開発には、企業にとってうれしいメリットがいくつもあります。ここでは代表的な3つのメリットをご紹介します。
開発期間とコストを抑えられる
通常のシステム開発では、基本的な機能であっても一からプログラムを組む必要があり、どうしても時間がかかってしまいます。
ローコード開発であれば、すでに用意されているパーツを組み合わせるだけで基本機能が完成するため、開発にかかる期間を大きく短縮できます。
開発期間が短くなれば、それにかかる人件費などのコストも抑えられます。
「早くシステムを使い始めたい」「予算をあまりかけられない」という企業にとって、大きな魅力といえるでしょう。
プログラミングの専門知識がなくても扱いやすい
ローコード開発は、画面上の操作が中心になるため、専門的なプログラミングの知識がなくても扱いやすいという特徴があります。
もちろん、まったく知識がいらないわけではありませんが、本格的なプログラミング言語を学ぶ必要はありません。
そのため、エンジニアではない営業や総務などの担当者でも、ある程度の研修を受ければ簡単なアプリをつくれるようになります。
これにより、IT部門に頼らずに現場の担当者が自分たちでツールをつくれる「現場主導の開発」が進みやすくなります。
システムは一度つくったら終わりではなく、使っていくうちに「ここを直したい」「新しい機能を追加したい」という場面が出てきます。
ローコード開発であれば、画面上の操作で部品を入れ替えたり、設定を変えたりするだけで修正できる場合が多く、メンテナンスの手間が少なくて済みます。
業務内容やルールが変わりやすい部署にとっては、この柔軟さも大きなメリットになります。
IT人材不足の解決につながる
日本では、IT関連の人材が不足していることが長年の課題となっています。
専門的なエンジニアを採用したり育てたりするのは時間もコストもかかるため、すぐに解決するのは難しい問題です。
ローコード開発を導入すれば、エンジニア以外の社員でも一定の開発業務を担えるようになるため、限られたIT人材を、より優先度の高い業務に集中させることができます。
結果として、会社全体の業務効率を上げることにもつながります。
実際に、ローコード開発によってIT人材不足の解消に効果があったとされる例は、次のようなものがあります。
- 製造業や物流業で、紙の帳票をなくし手作業を削減
- IT部門以外の社員が自分たちで業務アプリを開発
- 専門のエンジニアに頼らず現場主導で課題を解決
こうした取り組みは「市民開発」と呼ばれることもあり、今後さらに広がっていくと考えられています。






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ローコード開発のデメリットや注意点

導入前には、機能面や運用面の制約を理解しておくことが重要です。
メリットの多いローコード開発ですが、注意しておきたい点もあります。導入してから「思っていたのと違った」とならないように、事前に把握しておきましょう。
複雑な機能の実装には限界がある
ローコード開発は、用意されたパーツやテンプレートをベースにつくる仕組みです。
そのため、ツールが対応していない非常に複雑な機能や、特殊な処理が必要な場合には、対応できないことがあります。
下記の表に、ローコード開発が向いているケースと、不向きなケースをまとめました。
| 状況 | ローコードの対応 |
| 標準的な業務アプリをつくりたい | 向いている |
| 既存システムと多少の連携が必要 | 向いている |
| 非常に特殊な処理や大規模システムが必要 | 不向き(フルスクラッチ開発を検討) |
「どうしてもこの機能が必要」という要望が多い場合は、従来のシステム開発(フルスクラッチ開発)のほうが向いていることもあります。
また、利用しているツールのアップデートや仕様変更によって、これまで使えていた機能が使えなくなってしまうこともあります。
ツール自体を提供する会社の方針に、自社のシステムが少なからず影響を受けてしまう点は、あらかじめ理解しておく必要があります。
スクラッチ開発とは|パッケージ開発や他の開発法との違いから最適な選択まで紹介
ある程度の設計知識は必要になる
コードを書く量は少なくても、「どんなシステムが必要か」「どういう流れで業務を進めるか」といった設計の部分は、自分たちで考える必要があります。
この設計を曖昧なまま進めてしまうと、後から手直しが多く発生してしまう可能性があります。
ローコード開発をスムーズに進めるためには、最初の設計や要件整理をしっかり行うことが大切です。
使うツールに業務内容が左右されやすい
ローコード開発は、選んだツールやプラットフォームの仕組みに合わせてシステムをつくっていく形になります。
そのため、一度あるツールで業務アプリをつくってしまうと、後から別のツールに乗り換えるのが難しくなることがあります。
「将来的にどんなシステムに育てていきたいか」という見通しを、最初の段階である程度立てておくことが望ましいといえます。
自社にはどちらが向いている?選び方の判断軸

ローコードとノーコードは、自由度や適した用途に違いがあります。
ここまでの内容を踏まえると、ローコードとノーコードのどちらを選ぶべきかは、企業ごとの状況によって変わってきます。
ローコードとノーコード、どちらが向いている?
つくりたいものがシンプルな申請フォームや簡単な情報管理ツールであれば、ノーコードで十分な場合が多いです。
一方で、すでに使っている他のシステムと連携させたい場合や、業務に合わせて細かく調整していきたい場合は、ローコードのほうが適していることが多くなります。
とはいえ、実際にどちらが自社に合っているかは、つくりたいシステムの内容や、社内のIT人材の状況によって変わってきます。
「自社の場合はどちらが向いているのか、正直よくわからない」と感じる方も少なくないはずです。
そのようなときは、ローコード・ノーコードに限らず、システム開発全体の知見を持つ専門家に相談することをおすすめします。
判断に迷ったときに考えたい3つのポイント
自社での判断が難しいときは、次の3つのポイントを整理してみると、考えが少し整理しやすくなります。
- つくりたいシステムは、単機能のシンプルなものか、複数の機能を組み合わせた複雑なものか
- すでに使っている他のシステムやデータと連携させる必要があるか
- 社内にどの程度のIT知識を持つ担当者がいるか
1つ目は、システムの複雑さに関する確認です。シンプルなものであればノーコード、複数の機能を組み合わせたいのであればローコードが候補になります。
2つ目は、既存システムとの連携についてです。連携が必要な場合は、コードを書き加えられるローコードのほうが対応しやすくなります。
3つ目は、社内の体制についてです。IT知識を持つ担当者が少ない場合は、よりシンプルなノーコードから始めるという選択も検討する価値があります。
これらを整理したうえで、それでも判断に迷う場合は、開発の知見を持つ第三者に話を聞いてもらうことで、より自社に合った方向性が見えてくることもあります。






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ローコード開発に関するよくある質問
最後に、ローコード開発を検討する際によく聞かれる質問をまとめました。導入前の疑問や不安を解消するための参考なれば幸いです。
Q. ローコード開発を始めるのに、プログラミングの経験は必要ですか?
基本的な操作だけであれば、プログラミングの経験がなくても始められます。
ただし、より自由度の高いカスタマイズをしたい場合や、複雑な処理を組み込みたい場合には、最低限のプログラミングの知識があったほうがスムーズに進められます。
はじめは簡単な機能からスタートし、慣れてきたら少しずつ難しい部分にも挑戦してみるという進め方がおすすめです。
Q. ローコード開発の費用は、どのくらいかかりますか?
費用は、利用するツールの料金プランや、つくるシステムの規模によって大きく変わります。
個人や小規模なチームであれば、月額数千円程度から使えるツールもありますし、企業向けの本格的なプラットフォームになると、月額数万円から数十万円かかることもあります。
従来のフルスクラッチ開発と比べると、初期費用を抑えやすい傾向にありますが、利用人数や機能の追加によって料金が変わることも多いため、事前に見積もりを確認しておくと安心です。
Q. すでにあるシステムを、ローコードで改修することはできますか?
既存システムの一部をローコードで改修することも可能です。
たとえば、入力画面だけを新しくつくり直したり、データを取り込むための連携部分だけを追加したりといった使い方ができます。
ただし、既存システムの構造によっては連携が難しい場合もあるため、改修を検討する際は、現状のシステムの仕組みを把握している担当者や開発会社に確認してから進めることをおすすめします。
まとめ
今回は、ローコード開発の基本的な意味から、ノーコードとの違い、メリット・デメリットまでをご紹介しました。
ローコード開発は、コードを書く量を抑えながらも、ある程度の自由度を持ってシステムをつくれる開発手法です。
開発期間やコストを抑えられるだけでなく、IT人材不足の解決にもつながるため、多くの企業から注目されています。
一方で、複雑な機能には限界がある点や、設計の知識が必要になる点には注意が必要です。
ノーコードとあわせて、自社の目的や規模に合った開発手法を選ぶことが、システムを成功させる第一歩になります。
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